循環(生態系、農地、生産消費)農法とは何か

日本の農業は戦後アメリカの大型農業を模倣することで、大型化と機械化をめざし、化学肥料と農薬による農業を進めてきた。しかしこのありかたは、日本の地形や環境を無視して農地の拡大と圃場整備を中心に、大規模化と合理化を追求したものであり、そのためいろいろな問題が起きてきたのである。化学肥料と農薬で生産した農作物が肥料の過多と農薬残留によって、連作障害と病虫害被害、抗体生成等をもたらし、農地荒廃に至ったのである。このことが生産物の栄養の減少と高濃度農薬残留となり、その回復には永い年月が必要になって来ると思われるのだ。

 

 

循環農法とは

循環農法はこうした状態への対策として考えられた方法であり、連作障害または病虫害または農薬の排除と雑草の抑制に有効と考えている。この農法の本質は農地の生態系をつくり変化させていくことにある。そのことにより上記問題を解決し作業労力の削減、農機具の小型化を可能とする。また粉炭を活用し微生物の活性化をうながし、作物の生育と増収を可能としていこうとする。

 

 

微生物と植物の生態系で作物は育つ

今までの農業においては技術と肥料(特に化学肥料)または人間の努力と農機具機械力によって農産物が生産されると考える。しかし作物の生育にあたっては、28以上もの元素や微生物の働きが大きく関わってきており、この有機的なメカニズムからすれば、人間の関わりは単にその作用への手伝いにしか過ぎない。今後の農業はこうした事を考え微生物の生態と微量要素を研究し、これを活かすことが最重要課題となってくる。

 

 

木炭を利用して土を豊かにし、労力を減らす

農業に粉炭を活用するという考え方はこれまでの農業には全くなかった。しかしこの粉炭を活用することで微生物の活性化と耕土の分解促進、空気の流通活発化が可能となり、労力の削減と肥料のスムーズな吸収と作物の増収による安定した農業経営展望がひらけてきたと考えている。農業に木炭が利用できれば、危機に瀕する林業の新しい再生も可能となろう。

 

 

飼料に木炭。木炭の利用価値は実にさまざま

粉炭は、農業以外でも家畜の飼料に混入する事により、家畜の体調を整え、消化器官の強化と飼料の分解力向上による排泄物の悪臭の減少、さらには有機肥料の生産をも可能とするのである。また飼料の分解吸収力向上は体重の増加につながっていく。さらに粉炭は水の浄化に有効でもあり、環境保全に役立つ。加えて木炭の生産に伴って生成する木酢液は作物の病虫害の抑制と雑草の発芽の抑制に役立ち、使い方次第ではアレルギーの防止ともなるのである。

 

 

農地を使い回す循環多毛作の利点とは

この農法の利点は、耕土の分解促進、農機具の小型化、労力の適正配分、作物生産物の種類拡大、減反農地の地力回復、化学肥料の抑制、病害虫の排除、雑草の防除、冬作の作付ができることによる年間を通じての農地の活用と、それによる生産物の増収・経営の安定、生産物の安全の確保等、実にさまざまな問題点の解決に寄与することにある。

 

 

化学肥料と有機肥料を適切に使うこと

化学肥料と有機肥料は車の車輪。お互いのよさを組み合わせ、活かすことで作物の栽培が容易となり、生産物を増やすことができる。化学肥料はサプリメント、有機肥料は自然栄養であり、これが偏るといろいろな障害が起きてくる。特に化学肥料は使用を間違えると、取り返しのつかない障害になるので注意すべきだ。

 

 

従来の農業の方法と循環多毛作農法の違いは

現在の農業はほとんどが単作である。そのために連作障害または病虫害の防止が難しく高い技術が必要となり、結果的に化学肥料や農薬を必要としてしまう。また農機具や労力の配分ができないために無駄な経費が増加し、赤字経営となる。もちろん多様な作物の栽培は不可能だ。その点循環多毛作農法なら、一年中作物が栽培できるし、農機具は小型でよく、労力は適正に配分でき、肥料削減、農薬の排除、雑草の活用、短時間労働等が可能となり、新しい農業の展望を切り開くことができるのだ。

また木炭を活用することで耕土の微生物の働きが活発となって、耕土が細かくなり、小型農機具で充分耕起できる状態となる。その結果栽培が容易となるとともに、作物の生育が2割以上向上して収穫が増え、赤字解消につながるのである。

 

 

水と空気は栽培の重大要素だ

水と空気は食物の生育の重要な要素なのだが、稲作は別としてこのことがこれまであまり考えられてこなかったのではなかろうか。水の供給は多すぎても少なすぎても、生育のさまたげや病害の原因となり、収量に大きく関わってくる。水の管理は今後の農業の発展に大きくつながる重要な研究の一つである。

 

 

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